「ヘルモード」原作小説を読み進める中で、2巻・3巻・8巻・9巻ではそれぞれどんな事件が起きているのか、気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、2巻はグランヴェル家従僕としての奮闘、3巻は学園都市編の開幕と「廃ゲーマー」結成、8巻は邪神教の教祖グシャラとの最終決戦、9巻はその戦いの後に築かれる新拠点「ヘビーユーザー島」と「アレン軍」誕生の物語です。
この4冊は単なるランダムな組み合わせではなく、アレンが「一人の農奴」から「軍を率いる存在」へと変化していく過程における、シリーズ屈指のターニングポイントにあたる巻ばかりです。
この記事では、著者ハム男さん・イラスト藻さんによる原作小説「ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~」(アース・スターノベル刊)の公式あらすじをもとに、各巻で実際に起きる出来事と、その巻が持つ意味を整理してお伝えします。
ヘルモードとは?作品の基本情報をおさらい
「ヘルモード」は、35歳独身のサラリーマン・山田健一が、正体不明のネットゲームで最高難易度「ヘルモード」を選んだ結果、異世界の農奴の少年アレンに転生してしまうところから始まる育成ファンタジーです。
著者はハム男さん、イラストは藻さんが担当し、アース・スターノベルより刊行されています。
原作は「小説家になろう」発の作品で、2020年6月30日時点の同サイト総合ランキングで年間一位を獲得した人気作です。
書籍版は2020年7月15日発売の1巻からスタートし、2026年8月時点で既刊は1巻から14巻まで刊行されています(コミカライズ版「はじまりの召喚士」も別途連載中です)。
TVアニメ化もされており、第1期は2026年1月9日からTOKYO MX・MBS・BS日テレ・AT-Xほかで放送され、ABEMAやdアニメストアなどでも配信されました。
続く第2期(2nd Season)は2026年7月から放送がスタートしています。
なぜこの4巻をまとめて解説するのか
この記事で扱う2巻・3巻・8巻・9巻は、いずれも「アレンの立場が大きく変わる瞬間」を描いた巻という共通点があります。
- 2巻:農奴から従僕へ(立場の変化)
- 3巻:従僕から学生へ、そして仲間を得る(人間関係の拡大)
- 8巻:一人の冒険者から、大勢を導く戦力の中心へ(実力の証明)
- 9巻:戦力の中心から、拠点と軍を率いる立場へ(組織の誕生)
つまりこの4冊は、アレンというキャラクターの「成長の節目」だけを抜き出した早見ガイドという位置づけです。
各巻の詳しい内容が知りたい方は、次の見出しからそれぞれの事件を個別に確認してみてください。
2巻の見どころ・ネタバレ|グランヴェル男爵家従僕編
2巻は2020年11月16日に発売されました。
開拓村の農奴から、領主グランヴェル男爵家の従僕へと立場が変わったアレン。
ワガママお嬢様として知られるセシルに振り回されながらも、街の外に自由に出られるようになったことで、モンスター狩りにのめり込んでいきます。
召喚獣たちと共にゴブリンやオークを狩り続け、召喚獣もアレン自身もどんどん力をつけていく過程が、この巻の大きな見どころです。
一方で従僕としての信頼も着実に積み上げていくアレンですが、そこに男爵家を狙う隣領の子爵の暗躍という不穏な影が忍び寄ります。
セシルを狙う魔の手に対し、アレンは自らのスキルと召喚獣をフル活用して立ち向かい、お嬢様を守り抜こうとする姿勢をはっきりと示します。
前世が35歳の社会人だったアレンにとって、農奴から従僕への変化は単なるレベルアップ以上に「この世界でどう生きるか」を考えさせる転機であり、ここで芽生えた責任感がのちの「廃ゲーマー」パーティーの絆にもつながっていく、シリーズ全体の土台となる巻だと言えるでしょう。
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3巻の見どころ・ネタバレ|学園都市編スタートと「廃ゲーマー」結成
3巻は2021年3月15日発売です。
グランヴェル家の従僕を卒業したアレンは、セシルと共にラターシュ学園都市の学園へと入学します。
開拓村時代の仲間であるクレナ、ドゴラとも再会し、この4人でパーティーを結成、その名も「廃ゲーマー」と名付けられます。
ヒーラーを求めていたアレンは、学園で出会った「僧侶」の才能を持つ少年キールをパーティーに勧誘しますが、キールにはグランヴェル家に関わるある秘密が隠されていました。
学園では「学園武術大会」が開催され、クレナが参戦、優勝者は王国の大英雄・剣聖ドベルグとの試合が組まれるという展開も見どころのひとつです。
さらに「人類の希望」と呼ばれる勇者ヘルミオスが、入学試験で出会ったアレンに興味を持ち、実力を隠すアレンに対してある条件を提示してくる場面も描かれます。
書籍版にはこの巻限定で、ヘルミオスの過去を掘り下げる「ヘルミオス回想編」と、もう一人の幼馴染ペロムスが登場する「商人ペロムスの奮闘」という書き下ろしエピソードも収録されています。
農奴から従僕、そして学園の仲間へと、アレンの人間関係が一気に広がっていくこの巻は、のちに軍を率いる立場になるアレンの「人望」の原点を描いた重要な巻だと筆者は考えています。
2〜3巻と8〜9巻の間には何がある?巻数のつながりを整理
2巻・3巻と8巻・9巻の間には、実は大きな出来事がいくつも挟まれています。
- 4巻:エルフの国ローゼンヘイムが魔王軍に攻め込まれる「ローゼンヘイム戦争編」。アレンたちは300万もの魔王軍と対峙し、勇者ヘルミオスすら敗れたことのある「魔神」との戦いに挑みます。
- 5巻・6巻:前人未到のS級ダンジョン「試練の塔」への挑戦が中心。各国の実力者たちとの交流も深まっていきます。
- 7巻:エルマール教国からの救難信号を受け、アレンたちはパーティーを「チームアレン」「チームキール」「チームソフィー」の3チームに分割して同時に問題解決へ乗り出します。
この7巻での「3チーム分割」という流れが、そのまま8巻の展開へとつながっていきます。
つまり8巻・9巻は、ローゼンヘイム編や試練の塔編を経て仲間との絆と実力を大きく積み上げた末に訪れる、シリーズ中盤の集大成にあたる巻なのです。
8巻の見どころ・ネタバレ|邪神教教祖グシャラとの最終決戦
ここから原作のネタバレを含みます。
8巻は2023年10月18日発売(定価1,430円)です。
火の神フレイヤの力を奪った魔王軍配下の「邪神教」教祖グシャラは、信者を魔物へと変えることで各地に同時多発的な戦火を巻き起こします。
アレンたちはすべての土地を救うため、7巻から続くパーティー3分割の体制で同時進行の攻略に挑みます。
それぞれの土地で魔物を殲滅したメンバーは再びアレンのもとへ集結し、獣王女シアと共に、暴力の化身のような魔神バスクへと挑みかかります。
各地の祭壇を破壊しながら進んだアレンたちは、いよいよ敵の本拠地である「空に浮かぶ島」の神殿へと降り立ちますが、そこで待っていたのは魔神と化した教祖グシャラと、もう一体の強大な魔神でした。
かつてない敵の猛攻に仲間の命さえ危ぶまれるという、シリーズでも屈指の緊迫した最終局面が描かれるのがこの8巻です。
7巻で分割されたパーティーがここで再び一つになって強敵に立ち向かう構成は、単独無双ではなく「仲間との連携」を軸にしてきたこの作品らしい見せ場です。
筆者としては、3分割した各チームがそれぞれ別の土地で得た経験や絆を持ち寄って一つの戦いに合流する流れそのものが、7巻からの伏線回収になっている点にシリーズの巧みさを感じます。
単に敵が強いから緊迫しているのではなく、これまで積み上げてきたキャラクター配置が最終決戦で意味を持って生きてくる、その設計にこそこの巻の読み応えがあると考えています。
9巻の見どころ・ネタバレ|「ヘビーユーザー島」とアレン軍の誕生
9巻は2024年4月17日発売です。
グシャラとバスクを退け、邪神教との戦いに勝利したアレンたちは、戦いの末に手にした「空に浮かぶ島」を「ヘビーユーザー島」と名付け、新たな拠点として開発を進めていきます。
元邪神教信者だった難民を住民として受け入れて町を整備し、さらにはアレンたちに同調する各国の兵士たちも島へ移住してきたことで、「アレン軍」という軍が編成されることになります。
そこへ、アレンが農奴だった頃からの友人で、「廃課金商会」を率いる商人として活躍しているペロムスも合流し、ヘビーユーザー島はどんどん賑やかになっていきます。
島の開発が順調に進む中、アレンは5大陸同盟の会議に参加するためギアムート帝国へと向かい、その大胆な発言に各国のトップたちがどう反応するのかも見どころです。
さらにこの巻では、獣王女シアが獣王国の長である獣王ムザと決闘することになるという展開も描かれています。
一人の召喚士として始まった物語が、拠点と軍という「組織」を持つ規模にまで広がっていくこの9巻は、アレンの「やり込みゲーマー」としての効率志向が、個人の強さから国家運営レベルの采配へと応用されていく転換点であり、シリーズの中でも特に読み応えのある巻だと筆者は捉えています。
アニメ版は原作の何巻まで描かれている?
アニメ版と原作小説は描かれている範囲が異なるため、混同しないよう整理しておきます。
TVアニメ第1期は2026年1月9日から放送され、農奴時代からの物語、いわゆる原作序盤の開拓村農奴編を中心に描かれました。
これはこの記事で紹介した2巻の内容が始まる直前までの範囲にあたります。
第2期(2nd Season)は2026年7月から放送されており、公式サイトのあらすじによれば、舞台はラターシュ王国の学園都市へと移り、学園編がメインストーリーとなっています。
つまりアニメで描かれているのは、この記事で紹介した2巻・3巻に近い範囲までであり、8巻・9巻で描かれる邪神教編やヘビーユーザー島編は、現時点ではまだ映像化されていない原作先読みの展開ということになります。
第2期からは、キール役の川島零士さん、ソフィアローネ役の安野希世乃さん、フォルマール役の緑川光さん、メルル役の富田美憂さん、勇者ヘルミオス役の櫻井孝宏さんが新たにキャストに加わりました。
アレン役の田村睦心さん、クレナ役の飯塚麻結さん、ドゴラ役の畠中祐さんは第1期から続投しています。
なお書籍化にあたっては、web版から多少の加筆・再構成が加えられている場合があるため、web版の話数と書籍の巻数が完全に一対一で対応しているとは限らない点にも留意しておきたいところです。
各巻の巻末には書き下ろしの短編やSSが収録されていることが多く、3巻の「ヘルミオス回想編」のように本編とは別の視点から物語を補完するエピソードが楽しめるのも書籍版ならではの魅力です。
各巻の基本情報まとめ
| 巻数 | 発売日 | 主な舞台・出来事 |
|---|---|---|
| 2巻 | 2020年11月16日 | グランヴェル家従僕編、隣領の子爵の暗躍 |
| 3巻 | 2021年3月15日 | 学園都市編開幕、「廃ゲーマー」結成 |
| 8巻 | 2023年10月18日 | 邪神教教祖グシャラ・魔神バスクとの決戦 |
| 9巻 | 2024年4月17日 | 「ヘビーユーザー島」開発、アレン軍編成 |
考察:ヘルモードシリーズが長く愛される理由
ここからは筆者としての私見になりますが、ヘルモードが既刊14巻という長期シリーズとして支持され続けている理由は、アレンというキャラクターの「ゲーマーとしての一貫した思考」にあると感じています。
例えば「転生したらスライムだった件」のように、主人公が転生直後からチート的な能力を手にして無双していく作品も異世界転生ジャンルには数多くあります。
一方でヘルモードは、攻略本もネット掲示板もない世界で、自力で検証しながら強さを積み上げていくプロセスそのものが物語の軸になっている点が異なります。
また「無職転生」のように、主人公の内面的な成長や過去との向き合いを丁寧に描く作品と比べると、ヘルモードはあくまで「ゲームの攻略思考」を軸に据え続けている点に一貫性があり、この振れ幅のなさが長期シリーズとしての読みやすさにつながっていると個人的には考えています。
2巻・3巻で描かれる従僕時代・学園時代の地道な人間関係の積み重ねと、8巻・9巻で描かれる邪神教との死闘や拠点運営とのギャップは、まさに「やり込みゲーマー」の成長曲線を体感させてくれる構成だと筆者は感じています。
また、7巻でパーティーを3分割してから8巻で再結集する流れは、単に「敵が強くなった」だけでなく、それぞれの仲間が独り立ちできるだけの実力を得たことの証明にもなっており、シリーズを俯瞰して読むと各巻の意味がより鮮明に見えてくると筆者は考えています。
原作既刊14巻という蓄積は、それだけ長くファンに愛され続けてきた証でもあり、アニメの続編が今後どこまで描かれていくのか、原作読者としては見守っていきたいところです。
まとめ
2巻はグランヴェル男爵家従僕としてのアレンの奮闘と成長を、3巻はその卒業と学園都市編での「廃ゲーマー」結成を描く巻でした。
8巻は邪神教教祖グシャラ・魔神バスクとの最終決戦、9巻はその勝利の先に築かれる「ヘビーユーザー島」と「アレン軍」の誕生を描く巻です。
アニメは現在2期で学園都市編を放送中であり、8巻・9巻の内容はまだ映像化されていない原作先読み部分にあたります。
各巻の間に4巻のローゼンヘイム戦争編や5〜7巻の試練の塔編・エルマール教国編が挟まっていることを踏まえて読むと、アレンの成長をより立体的に楽しめるはずです。
よくある質問
ヘルモードは全部で何巻まで出ている?
2026年8月時点で、書籍版は1巻から14巻まで発売されています。
ヘルモード8巻・9巻はアニメでもう見られる?
いいえ、2026年8月時点でアニメが描いているのは学園都市編までで、8巻・9巻の邪神教編やヘビーユーザー島編はまだ映像化されていません。
ヘルモード2期はいつから放送されている?
TVアニメ第2期(2nd Season)は2026年7月からTOKYO MXほかで放送が始まっており、ABEMA・dアニメストア・U-NEXTなど複数の配信サービスでも視聴できます。
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