「『落第賢者の学院無双』のなろう版って本当に削除されたの?」と検索した方に、結論から先にお伝えします。
本作はもともと「小説家になろう」で連載されていたウェブ小説で、書籍化のタイミングでWeb版が削除されている、というのが現時点で確認できている事実です。
しかも、なろう掲載時のタイトルは今の漫画版タイトルとはまったく違います。
この記事では、原作者・漫画家・掲載誌といった基本情報から、なろう版削除の経緯、そして現在の連載・単行本の状況までを、出典を示しながら順を追って整理していきます。
さらに、同じ「なろう削除」でもまったく理由が違う別作品の事例も紹介し、この現象の全体像を掘り下げます。
『落第賢者の学院無双』とは?原作:白石新/漫画:けんたろうの学院バトル作品
『落第賢者の学院無双~二度目の転生、Sランクチート魔術師冒険録~』は、原作を白石新さん、漫画をけんたろうさん、キャラクター原案を魚デニムさんが手がける作品です。
漫画は「マンガUP!」(スクウェア・エニックス)のオリジナル連載として2019年9月26日にスタートし、単行本は「ガンガンコミックスUP!」レーベルから刊行されています。
日本語版Wikipediaの記述によれば、単行本のシリーズ累計発行部数は180万部以上に達しており、既刊は9巻(2026年7月時点)となっています。
2026年7月2日からはテレビアニメも放送開始となり、Tokyo MX・ABC・BS富士・WOWOWで放映、制作はEMT Squaredが担当、海外ではCrunchyrollでの配信も決まっている人気シリーズです。
学院で「落第」の烙印を押された主人公エフタルが、実は規格外の実力を隠し持っていたという設定で、周囲の評価をひっくり返していく痛快な学院バトルものとして支持を集めています。
結論:なろう版は削除された/原題は何だったのか
まず前提として、『落第賢者の学院無双』という現在の漫画タイトルで「小説家になろう」を検索しても、該当する連載作品は見当たりません。
これだけを見ると「もともと存在しなかったのでは」と考えたくなりますが、実際には少し事情が異なります。
作品情報をまとめた日本語版Wikipediaの記述によれば、原作は元々「小説家になろう」に投稿されていたウェブ小説で、当時のタイトルは『落第賢者の学院無双 〜ああ賢者…死んでしまうとは情けないと言われてから400年が経過した。〜』というものでした。
そして同じ出典には、本作のWeb版は現在同サイトより削除されていると明記されています。
つまり「なろうに投稿された作品が、削除された」という説自体は正しく、タイトルが変わっているために検索しても見つからない、というのが正確な状況だったわけです。
漫画化・書籍化にあたって、なろう時代の長いタイトルから、今の『落第賢者の学院無双~二度目の転生、Sランクチート魔術師冒険録~』へと改題されている点も、見つけにくさに拍車をかけていると考えられます。
白石新さんの他作品にも見られる「なろう削除」現象
けんたろうさんはX(旧Twitter)のアカウント「@kentarou_manga」を運営しています。
このアカウントのプロフィール欄には、マンガUP!で原作・白石新さんの『落第賢者の学院無双~二度目の転生、Sランクチート魔術師冒険録~』のコミカライズを担当している旨の記載があります。
ここからも、白石新さんの原作をもとにしたコミカライズ作品であることは、作り手自身の発信からも確認できます。

ここで新たに調べて分かったのが、実は白石新さんの他のヒット作でも、同じように「なろう版が削除される」現象が起きているという点です。
代表作のひとつ『村人ですが何か?』も、もともと「小説家になろう」で連載されていた作品でした。
「小説家になろう」内で読者が投稿している人気作品の紹介欄には、『村人ですが何か?』が「削除作品」として掲載されており、著者ページごと同サイトから消えていることがうかがえます。
『村人ですが何か?』はGCノベルズから書籍化され、コミカライズもされている人気作なので、『落第賢者の学院無双』だけの特殊な事情ではなく、白石新さんの作品全体に共通するパターンだと考えられます。
なお、白石新さん自身や出版社から「なろう版を削除した」という公式アナウンスは見当たらず、削除の正確な日付や理由についての公式コメントは確認できていません。
この点は断定を避け、「削除されている事実は複数の情報源で確認できるが、削除の経緯そのものは非公表」という前提で読み進めていただくのが安全です。
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原作・漫画・なろう版のタイトル比較
なろう版削除後、本作は角川スニーカー文庫(KADOKAWA)から書籍化されています。
日本語版Wikipediaおよび英語版Wikipediaの書誌情報によると、1巻は2019年10月1日発売、最終8巻は2022年3月1日発売で、刊行期間は約2年半にわたります。
つまり「なろうで連載→削除→ライトノベルとして書籍化」という流れをたどった作品であり、書籍版が本作の完結版ということになります。
同じ物語でも媒体ごとにタイトルが少しずつ変わっているため、検索時の混乱を生みやすい構造になっています。
| 媒体 | タイトル | 状態 |
|---|---|---|
| なろう版 | 落第賢者の学院無双 〜ああ賢者…死んでしまうとは情けないと言われてから400年が経過した。〜 | 削除済み |
| 書籍版(角川スニーカー文庫) | 落第賢者の学院無双 〜二度転生した最強賢者、400年後の世界を魔剣で無双〜 | 全8巻・完結 |
| 漫画版(ガンガンコミックスUP!) | 落第賢者の学院無双~二度目の転生、Sランクチート魔術師冒険録~ | 既刊9巻・連載中 |
こうして並べてみると、媒体ごとにタイトルが変わっている点が、検索時の混乱を生みやすい構造だとよく分かります。
漫画版の連載・単行本の最新状況
漫画版は「マンガUP!」公式サイトで確認できる話数一覧をもとにすると、2026年時点でも連載が継続しており、直近の話数まで途切れずに更新されています。
単行本の刊行状況は、スクウェア・エニックスの公式書籍情報ページによると次の通りです。
- 1巻:2020年1月31日発売(スクウェア・エニックス公式サイトより)
- 8巻:2025年6月6日発売(スクウェア・エニックス公式サイトより)
- 既刊9巻:2026年7月時点(日本語版Wikipediaより)
巻ごとの発売間隔を見ると、序盤はおおむね半年から1年弱のペースで進み、その後もやや間隔は空きつつ途切れずに刊行が続いている点が確認できます。
こうした連載継続・単行本刊行・アニメ化という三拍子がそろっている状況からも、作品自体が縮小傾向にあるとは考えにくいのが実情です。
なお、話数の更新頻度や個別の更新日については「マンガUP!」アプリ内での表示が随時変わるため、最新の話数は公式アプリ・公式サイトで直接確認することをおすすめします。
精霊幻想記など、他作品に見る「なろう削除」パターンの違い
ここが今回新たに掘り下げたポイントです。
「なろう削除」と一口に言っても、実はその理由は作品によってかなり異なります。
たとえば北山結莉さんのライトノベル『精霊幻想記』(HJ文庫)は、2020年10月30日をもってなろう版を取り下げています。
北山結莉さん自身がなろうの活動報告ブログとX(旧Twitter)で説明したところによると、この取り下げは書籍版17巻発売後に「続きは書籍で」の状態に該当するのではという指摘を受け、なろう運営が2週間ほど精読した結果、規約違反にあたると公式に判断したことが理由だったとされています。
つまり『精霊幻想記』のケースは、著者や出版社の自主的な商業判断というより、なろう運営による規約上の裁定という、はっきりした一次情報つきの経緯があるのが特徴です。
一方で『落第賢者の学院無双』や『村人ですが何か?』のように、白石新さんの作品では現時点で運営からの規約違反指摘や公式な削除アナウンスは確認できておらず、著者・出版社側が主体的に判断したケースである可能性が高いと見られます。
このように、同じ「なろう版削除」でも「運営による規約違反の裁定」型と「著者・出版社側の自主判断」型という、少なくとも2つのパターンが存在することが、複数作品を横断して見えてくる新しい視点だと言えるでしょう。
考察:なぜ書籍化のタイミングでWeb版が消えるのか
ここからは筆者としての考察になります。
なろう発の作品が書籍化される際にWeb版が非公開・削除になること自体は珍しくありませんが、その背景には「無料で読めるWeb版が残っていると、有料の書籍・電子書籍の売上に影響しかねない」という商業的な事情があると筆者は考えています。
実際、なろうの利用規約には「続きは書籍で」という状態そのものを禁じる条項があり、『精霊幻想記』のように運営が明確に規約違反と裁定するケースもあれば、白石新さんの作品群のように、規約違反の指摘がないまま著者・出版社側の判断で静かに取り下げられるケースもあります。
白石新さんのように複数のヒット作を抱える書き手の場合、なろうのページを丸ごと削除するという判断は、シリーズ全体を書籍・コミカライズという収益源に一本化する狙いがあるのではないか、というのが個人的な見立てです。
『落第賢者の学院無双』も『村人ですが何か?』も、いずれも「なろう発→削除→書籍化・コミカライズで拡大」という共通の経路をたどっており、これは異世界系ジャンルにおける一つの成功パターンとして定着しつつあるように感じます。
読者としては「なろうで読めないのは残念」という気持ちもあるかもしれませんが、その分だけ書籍版・漫画版というかたちで作品が磨き上げられ、アニメ化まで到達している事実は、削除がマイナスばかりではないことを示しているとも言えるでしょう。
今後の見通しとしては、単行本刊行と連載がここまで安定して続いていることに加え、2026年夏からのアニメ放送によって新規読者が増えることが見込まれるため、しばらくは巻数・話数ともに順調に積み上がっていく可能性が高いと筆者は考えます。
アニメをきっかけに原作小説や漫画版に興味を持った読者が増えることで、今後さらに知名度が上がっていくことも十分考えられるでしょう。
まとめ
『落第賢者の学院無双』については、「なろう版が削除された」という説そのものは事実であり、なろう時代のタイトルは現在の漫画タイトルとは異なるため、検索しても見つかりにくくなっているというのが実際の経緯です。
原作小説は角川スニーカー文庫から全8巻で書籍化され、漫画版は2019年から2026年現在まで連載が続き、単行本も既刊9巻まで発売、さらにテレビアニメ化も果たしていることから、作品自体は安定して展開が続いているシリーズと言えるでしょう。
また、同じ白石新さんの『村人ですが何か?』でも同様のなろう削除が確認できる一方、北山結莉さんの『精霊幻想記』のように「運営による規約違反の裁定」という、まったく別の経緯で削除された作品もあることが分かりました。
「なろうで見つからない=存在しなかった」と早合点せず、改題や書籍化の経緯を確認してみると、今回のような背景が見えてきます。
よくある質問
『落第賢者の学院無双』は小説家になろうで読めますか?
現在の漫画タイトルで検索しても連載ページは見当たりませんが、これはなろう時代のタイトルが異なっていたことと、書籍化に伴いWeb版が削除されていることが理由です。現時点でなろう上での閲覧はできないと考えられます。
漫画版と原作小説はどう違いますか?
漫画版のタイトルは『落第賢者の学院無双~二度目の転生、Sランクチート魔術師冒険録~』、書籍版の原作小説タイトルは『落第賢者の学院無双~二度転生した最強賢者、400年後の世界を魔剣で無双~』です。内容の骨格は同じ作品ですが、コミカライズや書籍化のタイミングで改題されています。
原作小説は今も購入できますか?
原作小説は角川スニーカー文庫から全8巻で刊行されています。在庫状況や電子書籍での取り扱いは変動する可能性があるため、最新の情報は書店や出版社の公式サイトで確認することをおすすめします。
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